競合サイトのWeb見積を見て、自社導入を検討し始めた方に向けた記事です。見積もりシミュレーターの制作費用は、方式しだいで2万円から数百万円まで開きます。まず結論の相場表を示し、続いて価格が変わる要因と選択肢別の実額を解説します。価格はすべて2026年7月時点の公開情報にもとづきます。

先に立場を明かします。当社は相場表に載る1社、Mitsumo3Dの提供元です。自社で検証できているのは自社サービスだけで、他社の金額はすべて公開情報を調べた結果です。このため本記事は、詳しい選択肢を厚く、調べただけの選択肢を短く書きます。

費用相場は、この表が結論です。

方式代表例初期費用月額・年額3D対応
買い切りツール見積太郎19,800円(税別)〜年額9,900円〜のプランあり×
WordPressプラグインAForMS等買い切り数万円以内が中心プランによる×
2Dフォーム型SaaSmitsumol100,000円5,000円(2年契約)×
国産3D SaaSだれでもシミュレータ公開情報は月額のみ月額4,950〜39,600円
海外3D SaaSZakeke等なし〜月68〜340ドル+アドオン
3D自動見積SaaSMitsumo3D55万円〜(税別)9,980円・年払い(税別)○(寸法対応)
受託開発制作会社各社50万〜数百万円(推定)保守費は別途案件による

海外SaaSと受託開発は、公式の料金表を確認できませんでした。表の金額はレビューサイトや各社記事の概算を含みます。何をどう調べたかは、選択肢別の解説で開示します。

費用の桁は、どこで変わりますか。

同じ「見積もりシミュレーター」でも、次の4点で費用の桁が変わります。

  • 3D表示の有無: 2Dの計算フォームは安価です。3Dはモデル制作費が上乗せされます
  • パラメトリック対応: 寸法を入力すると、形状と価格が同時に変わる仕組みです。対応製品が少なく、費用差の最大要因です
  • EC・販売管理連携: 決済や受注データ連携を足すほど、開発費と月額が増えます
  • 保守・運用: 価格改定やモデル追加を誰が行うかで、月額費用の中身が変わります

3Dの費用の中心はモデル制作です。商品数や寸法バリエーションが増えるほど、必要なモデル数も増えます。パラメトリック対応なら、1つのモデルで全寸法をカバーできます。3Dで何ができるかは「3Dコンフィギュレーターとは」で解説しています。

選択肢別に実額を比較します。

まず無料で試せますか。

試せます。Googleフォームなどの無料フォームでも、仕様の聞き取りは自動化できます。ただし価格は自動計算されず、金額の返信は人手のままです。厳密には「見積依頼フォーム」であり、シミュレーターにはなりません。まず無料で往復の実態を可視化し、減らなければ有料ツールへ進む順番が現実的です。

買い切りツールは2万円前後です。

見積太郎(estimator.jp)は買い切り19,800円(税別)からで、年額9,900円からのプランもあります。生成AIで自社専用の見積計算コードを作る方式で、変動価格・段階料金・PDF出力に対応します。3Dは扱えないため、単価計算がシンプルな商材向けの最安の入口です。

WordPressなら数万円で済みます。

貴社サイトがWordPressなら、AForMSなどの見積フォームプラグインも選べます。買い切り数万円以内が中心で、計算式や条件分岐はプラグインの設定範囲に限られます。3D表示や入稿データの生成はできません。当社で試した製品はないため、紹介はここまでにします。

3D対応の国産SaaSはありますか。

あります。だれでもシミュレータ(AgWORKS)は、3D対応の国産SaaSです。月額はSMALL 4,950円・MEDIUM 19,800円・LARGE 39,600円の3段階です。年契約で20%OFFになり、無料トライアルもあります。3DデータはSketchUpやBlenderなどで自社制作して登録する前提です。パーツや色の切替が中心で、寸法入力による形状生成の明記はありません。

色とパーツの切替で足りる商材なら、こちらが当社より安く済みます。正直に言えば、どちらを勧めるかは商材の寸法バリエーションを聞くまで迷います。

2Dのフォームで足りるなら、mitsumolが初期100,000円+月額5,000円です(2年契約)。

受託開発は数十万〜数百万円です。

「見積もりシミュレーター 制作」の検索上位は、受託制作会社の記事が中心です。この記事のために検索上位の制作会社の記事を見比べましたが、料金表を載せた会社はほぼ見つけられませんでした。手がかりは、各社が自社記事内に書く概算だけです。それらを突き合わせた結果、フォーム型で数十万円、3Dのスクラッチ開発は数百万円とみられます。納期も数ヶ月単位が中心です。自由度は最も高い一方、公開後の保守費が別途かかります。

海外SaaSは英語運用が前提です。

Zakekeの金額は、今回の調査で一番調べにくい項目でした。公式の料金ページが管理画面のURLに転送され、料金表を直接確認できないためです。表の月68〜340ドルは、fibbl・G2・Capterraの3サイトを突き合わせた値です。3D/ARアドオンは月29.90ドルかかります。方式は事前に用意した3Dモデルの切替で、寸法駆動には対応していません。

Threekitは価格非公開で、実勢は年3万〜10万ドルとみられます。この推定は、海外の価格調査記事cpq3d.com(2026年5月)にもとづきます。Simplio3Dはユーザーあたり月29〜49ドルですが、日本語ページは機械翻訳品質です。3社とも、日本語サポート窓口は確認できませんでした。各製品の機能差は見積もりシミュレーター作成ツール比較で確認できます。

価格を公開しているだけで差別化になる業界も、珍しいと思います。

補助金はいくら使えますか。

IT導入補助金は、2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に変わりました。通常枠の補助率は1/2以内で、要件を満たすと2/3です。補助額は5万〜450万円で、2026年の3次締切は7月21日です(2026年7月5日時点の公開スケジュール)。

試しに当社の基本料金で計算します。初期費用55万円が満額対象と認められた場合、補助率1/2で実質負担は27万5,000円です。要件を満たして2/3が適用されれば、負担は約18万4,000円まで下がります。ただし、どの経費が対象になるかは公募要領と支援事業者の確認しだいです。あくまで仮定を置いた試算として読んでください。

申請は、IT導入支援事業者に登録されたベンダー経由で行います。交付決定前に契約した費用は対象外のため、締切から逆算した準備が欠かせません。対象ツールの探し方と申請の流れは「補助金でWeb見積を導入する方法」に書きました。

Mitsumo3Dの料金内訳を開示します。

当社Mitsumo3Dは、初期55万円〜+月額9,980円です(年払い・税別。月払いは12,900円)。3Dモデルの追加は1体15万円です。内訳は次のとおりです。

項目金額(税別)含まれるもの
初期費用55万円〜3Dモデル1体の制作(当社制作・2週間納品)、価格ロジック実装、貴社HPとの連携
月額9,980円(年払い)/12,900円(月払い)ホスティング、保守、見積PDF・入稿データ・リード情報の自動生成
追加モデル+15万円/体2体目以降の3Dモデル制作費

初期費用が「〜」表記なのは、3Dモデルの点数で総額が決まるためです。1体追加ごとに15万円と決まっているので、概算はその場で計算できます。3Dモデルは当社側で制作し、貴社HPへの接続も当社が行います。貴社に3D人材は要りません。お客様が寸法を入力すると3Dモデルが組み替わり、価格も即時に再計算されます。この寸法駆動を掲げる国産SaaSは、2026年7月時点で他に確認できませんでした。確定した仕様データは、販売管理SaaSへの連携にも対応します。

結局、どれを選ぶべきですか。

  • 単一商品の料金計算だけ → 見積太郎かWordPressプラグインが最安です
  • 色・パーツの切替を3Dで見せたい → だれでもシミュレータが月額4,950円からです
  • 決済までEC化したい → Zakeke等のEC系SaaSが候補です
  • 1件ごとに寸法が違う(建材・板金・特注品) → パラメトリック対応が必要で、受託開発かMitsumo3Dの二択です

色替えだけの用途なら、当社より安い選択肢を選んでください。逆に寸法駆動が必要なら、受託比で費用は数分の1、納期は2週間です。

見積業務は、失注すると工数が丸ごと損失になります。シミュレーターへの投資は、その無償労働を減らすための費用です。だから当社は、機能表より先に貴社の見積工数を見るべきだと考えます。先月、貴社は何件の見積書を書き、何件が受注になりましたか。その比率を相場表と並べれば、予算の桁は決められます。